鼓門目次
鼓門について
金沢には観光の名所がいくつもあります。有名なのは「兼六園」や「近江町市場」、「金沢城」など見て食べてと満喫できること間違いありません。
そんな金沢の観光地の入り口ともいえる金沢駅にも見どころがあります。
「鼓門(つづみもん)」と「もてなしドーム」です。
それも有名なのは日本だけでなく、世界にも認められています。
アメリカの旅行雑誌「Travel+Leisure」(トラベルアンドレジャー)のweb版にて世界で最も美しい駅(World’s Most Train Stations)に金沢駅が選ばれました。
全世界で14駅が選ばれているのですが、日本から選ばれたのは金沢駅だけでした。
選ばれた駅は順に、
日本から選ばれるのはとても誇らしいですね。
機会があれば金沢駅の他にも、世界の美しい駅に足を運んでみたいものです。
金沢駅の「鼓門」は2005年3月に駅東口(兼六園口)側に完成しました。
「鼓門」と一緒に「もてなしドーム」が隣接し金沢駅ならではの景観になっています。
「鼓門」は高さが13.7mあり下から見ると圧巻の大きさです。
らせん状になった2本の柱で支えられており、その柱から格子が重なり合って何とも言えない造形美をかもし出しています。
そんな大きく迫力ある「鼓門」の建築費はなんと3億5千万です。
伝統芸能である能楽の鼓をイメージして作られました。
金沢では、加賀藩の初代当主・前田利家の頃から代々能楽を愛好しており、庶民に奨励したことから広がっていったと言われています。
そのため、大工さんや植木職人が仕事をしながら謡を口ずさんでいたので、その様子を「空から謡が降ってくる」とたとえられるほど、多くの人に能楽が愛され日々の生活に溶け込んでいました。
そんな金沢の入り口金沢駅の顔には和楽器の鼓がピッタリですね。
「もてなしドーム」はおもてなしの心を表わしたガラスを張り巡らせ、明るさを取り入れたドームです。
雨や雪の多い金沢で「駅を降りた人に傘を差し出すもてなしの心」をコンセプトにしたので、「もてなしドーム」になりました。
ガラスの総枚数は3019枚ととても多く、それだけおもてなしの心が伝わってきますね。
大きさは半径90mの強大なドームで、メンテナンスがしやすいように、アルミニウム合金を構造に使用しているため耐久性もあります。
アルミニウム合金の特徴としては軽さです。
鉄と比較してみるとその重さは3分の1程度と非常に軽いです。
柔らかい性質を持っているため加工もしやすく、装飾性にも長けています。
また、耐食にも強いことから雨が多い金沢には使いやすいい特性です。
そんな「鼓門」と「もてなしドーム」ですが総工費は172億円投じられました(鼓門の3億5千万円含む)。
「鼓門」は建築家・白江龍三氏が設計しました。
白江龍三氏は、日本大学理工学部建築学科で建築を学び、個人事務所や日本設計などに就職し、自身の建築事務所を立ち上げ活動しています。
代表作には「多摩動物公園昆虫生態園」があり、日本建築学会作品賞を受賞しています。
建築の際クライアントからの要望は「金沢らしさがあること」、「バリアフリーの完全実施」、「駅としての機能性」の3つでした。
この中で「金沢らしさがあること」が一番の苦労だったようです。
そんな中で「木造や瓦のように直接歴史を感じられる空間にしたい」と意見があり、白江龍三氏は木造の門を作ることで、要望に応えよう考えたようです。
「鼓門」の柱部分には米松が使用されています。
米松はマツ科トガサワラ属の常緑針葉樹で、北米大陸の西部に広く分布しています。
特徴としては強靭ですが加工性は比較的しやすく、狂いも少ないので、柱や梁、大型構造物などの建築用材として使用されています。
米松を使用したことで、複雑な設計にも対応でき、迫力のある鼓門を完成させることができたのですね。
本体を支える2本の柱は、和楽器の鼓では調べ緒と呼ばれ、小鼓や大鼓、太鼓などに使用されている麻紐、ロープのことで、調律の役目をしています。
外側の柱の1本1本が時計回りにねじれるように組み込まれ、さらにその内側の柱は反時計回りに組み込むことで、らせん状に設計されています。
直線の柱とゆるくカーブを描いている屋根との組み合わせも重量感の中に繊細さがあり、見る人の心を吸い込むような素晴らしい建築です。2重に重なった柱をのぞき込んでみると、さらに内側には送水管が通っています。
雨が天井にたまったり、雪が積もったりしても送水管に流れていく設計になっています。
雨や雪の多い金沢(北陸)ならではの工夫もされていますね。
様々な建築技術とアイディア、設計にあった素材を使いこなした歴史と未来を融合した鼓門に是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
鼓門の見どころ
「鼓門」の見どころは多々あります。
まず、構造についてですが、2本の柱で垂直荷重を支える鉄骨造と、地震などの水平な力を支える木造によるハイブリッド構造になっています。
ぱっと見木造だけにしか見えませんが、柱の内側には鉄骨の柱が立っています。
鉄骨の外側には斜めに柱を重ね合わせることで、いろんな方向からの力に対応し力強く構えることができます。
このらせん状の柱が見事に鼓のように表現されています。
また、らせん状に伸びる柱の上には格子状に張り巡らされた木の曲線美も堪能してもらえるのではないでしょうか。
金沢駅から「鼓門」へ行く途中に「もてなしドーム」を通ることになりますが、観光客に傘をさすような作りになっており、雨に濡れることなく、その両側にバス停や駐車場が設けてあります。
そんなおもてなしの心の設計も見どころの一つではないかと思います。
「もてなしドーム」の構造は24本の鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を使用しており、大きな空間はアルミ製のフレームで作りだしています。
使用されたガラスは強化ガラスで約3000枚、さらにアルミフレームは約6000本も使用されています。
金沢文化は約400年前から始まっており、今後も400年金沢駅が長持ちするようにとの思いが込められています。
耐久性に優れガラスやアルミフレームを多数使用した大型のドームは必見です。
夜には昼間とは装いが違いライトアップされます。
ライトアップは日没から24時まで行われ、神々しい雰囲気になっています。
加賀五彩(かがごさい)をイメージした特別なライトアップです。
加賀五彩とは、金沢の伝統工芸・加賀友禅(金沢周辺で作られる着物)で用いられる五つの色彩のことです。
1、臙脂(えんじ)色 2、藍(あい)色 3、草色 4、黄土色 5、古代紫(こだいむらさき)色 の五色です。
そして曜日によっても色が決まっており、月曜日が臙脂色、火曜日が藍色、水曜日が草色、木曜日が黄土色、金曜日が古代紫色に色が変化します。
時間は毎時00分に2分間だけの変化です。
とても短い時間なので、見逃さないように少し早めにスタンバイしておきたいものですね。
さらに、土曜日、日曜日、祝日にはこの五色すべてが交互に変化し、特別なライトアップになります。
普段見ることができない特別なライトアップになっています。
合わせて「鼓門」の裏側にある灯篭もライトアップされるので、とても綺麗で幻想的なので是非ご覧ください。
鼓門の周辺
「鼓門」(金沢駅)周辺の観光ではなんといっても「兼六園」があります。

金沢駅より車で約10分です。水戸偕楽園(かいらくえん)や岡山後楽園(こうらくえん)とならぶ日本三名園の一つとして数えられています。
加賀藩の歴代当主によって形作られ、「廻遊式」の要素を取り入れ、見ごたえのある庭園になっています。
金沢に観光の際は是非立ち寄ってみてください。
他にも車で約10分の位置にひがし茶屋町があります。
ここでは金沢らしい和を感じることのできる街並みがならんでいます。
着物をレンタルして記念写真を撮る女性の姿が多くみられます。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており風情を感じることができます。
グルメでは近江町市場が有名で、駅から車で約5分ととても近くにあります。
金沢市民の台所として旬の海鮮を食べることができます。
小路には約170店の店が並び、地元の果物や野菜、新鮮な海鮮類が並んでいます。
海鮮丼などもあり多くの観光客で賑わっています。
お土産にもクール便で送ることができるので、カニやエビ、金沢と言えば高級魚でもあるノドグロも送ることができます。
金沢でしか味わうことのできない新鮮な海鮮を近江町市場で食してみてはいかがでしょうか。
アクセス方法
「鼓門」は金沢駅に隣接しており、住所は石川県金沢市木ノ新保町1番1号になります。
東京駅からは北陸新幹線のかがやきで約2時間30分かかります。
はくたかの場合は約3時間かかります。
かがやきは主要駅(東京、大宮、長野、富山、金沢)にのみ停車しますが、はくたかは各駅停車の為、時間がかかります。
料金ですがかがやきとはくたかでは同じ料金設定です。
しかし通常の指定席の他にとても豪華で席数が少なく、ゆったりと旅をする事ができるグランクラスという設定があります。
その為グランクラスでは通常の指定席より2倍近い料金設定になっています。
グランクラスでは専任のアテンダントがおり、料理も和、洋の軽食から選ぶことができ、お菓子も付いてきます。
また、飲み物に至っては飲み放題です。
2時間余りしか乗ることができないので、もう少し長い時間乗ってみたいような気もします。
グランクラスで東京から金沢へ行くとあっという間ですね。
大阪方面からはサンダーバードで約2時間30分です。東京からとはほとんど同じすが、 距離が短い分料金は少し安くなっています。
「鼓門」は金沢駅にあるので車での観光もいいですが新幹線や特急から降りて「もてなしドーム」から「鼓門」を散策してみてはいかがでしょうか。